実際の案件は、1つの文書だけで成り立っているわけではありません。契約書、十数通のメール、請求書2通、そして誰かのメモで構成されます。AIツールにそれらをまとめて読ませるなら、すべての文書で同じ人物に同じプレースホルダーを使う必要があります。
ファイルを1つずつ処理すると何が問題になるか
各ファイルを別々に匿名化すると、次のようになります。契約書ではMaria LopezがPerson_1、大家がPerson_2です。メールではツールがまた番号を最初から振るため、大家がPerson_1、MariaがPerson_2になります。両方を同じチャットに貼り付けると、AIはPerson_1という別人が2人いると認識し、話を取り違えます。
復元の段階でも問題が起きます。AIがPerson_1に言及したとき、それはどちらを指すのでしょうか?契約書用のキーとメール用のキーが一致しません。
1つの案件に1つのキー
解決策は簡単に説明できます。クライアントまたは案件ごとに、プレースホルダーの表を1つだけ用意します。その案件のすべての文書で同じ表を使います。そうすれば、次のようになります。
- Person_1は、来月追加するファイルも含め、すべてのファイルでMaria Lopezを表します。
- AIは契約書、メール、請求書を通じて彼女を追跡できます。
- その案件に関するすべての回答を、1回の操作で復元できます。
でも プレースホルダーと黒塗りに関する記事 では、AIの推論においてラベルを一貫させることがなぜ重要なのかを説明しています。
手作業の場合
表計算シートを使って実行できます。人または会社ごとに1行を設け、プレースホルダー、実際の値、表記ゆれの列を作ります。各文書を処理するときは、同じシートを開いておきます。短いファイルが3、4個なら確実に処理できますが、それ以上になると破綻します。新しい表記が見つかり、7つ目のファイルではフッターの名前を見落とし、Company_4が銀行なのか保険会社なのか誰も覚えていない、といったことが起きます。
手作業で行う場合は、新しい人物が出てきたらすぐにシートに追加し、処理済みの各ファイルをシート上のすべての名前で再検索してください。
ClientSafeが案件を処理する方法
- 顧客ごとに1つの案件。 文書は案件ごとにまとめられます。サブフォルダーも含め、ファイルまたはフォルダー全体を追加できます。同じファイルを2回追加しても、重複は作成されません。
- 同じ名前には、同じプレースホルダーが割り当てられます。 同じ名前の異なる表記も含め、案件内のすべての文書に適用されます。
- 確認は1回で済みます。 一致項目のチェックを外すと、案件内のすべての文書からその項目が削除されます。見落とされた項目に印を付けると、後から追加する文書も含め、すべての文書で置き換えられます。
- 統合と分割 2つの表記が別人として扱われた場合は統合します。2人が同一人物として扱われた場合は分割します。プレースホルダーの番号は再利用されません。
- 復元 AIの回答を貼り付けると、その案件の表に基づいて実際の氏名が戻ります。
- 案件を削除すると 案件が終了したときに表と安全なコピーが削除されます。ディスク上の元のファイルには影響しません。
簡単な例
賃貸借をめぐる紛争に、賃貸借契約書、メールのやり取り、家賃台帳の3つの文書があるとします。
| 実際の値 | プレースホルダー | 登場する文書 |
|---|---|---|
| Maria Lopez | Person_1 | 賃貸借契約書、メール、台帳 |
| Northwind Ltd | Company_1 | 賃貸借契約書、メール |
| 14 Harbor Street | Address_1 | 賃貸借契約書、台帳 |
| j.alvarez@example.com | Email_1 | メール |
「賃貸借契約書で定められた日付に、台帳によるとPerson_1は家賃を支払いましたか?」と質問すると、Person_1とAddress_1が両方の文書で同じものを表しているため、AIは賃貸借契約の条件と台帳の明細を結び付けられます。
複数の文書にまたがる質問
文書間でプレースホルダーを統一すれば、1つのファイルだけでは答えられない質問ができます。
- 「これらの文書から時系列を作成してください。」
- 「支払日について、メールの内容は契約と矛盾していますか?」
- 「文書全体にわたってCompany_1が負うすべての義務を列挙してください。」
- 「合意書に記載された業務に関係する請求書はどれですか?」
プロンプトでは、たとえば「文書A:賃貸借契約書。文書B:メールのやり取り」のように、各文書にラベルを付けてください。そうすればAIは、どの文書にその記述があるかを示せます。案件の規模が大きい場合は、フォルダー全体ではなく、質問に関係する文書を送ってください。AIツールが一度に読める量には限りがあります。
案件の規模が大きくなった場合
100件の文書を1つのチャットに入れることはできませんし、そもそもすべてを入れるべきではありません。キーを保持するツール内では案件全体を揃えておき、質問ごとに必要な箇所を選んでください。どの文書を選んでもプレースホルダーは同じままです。それがキーを1つに保つ理由です。文書名の簡単な索引を用意しておくと、ファイル名自体を送信せずに、どの文書の記述かをAIに伝えられるので便利です。
落とし穴
- 1つの案件に複数の事柄を含める場合 同じ人物が両方に登場し、役割が異なることがあります。事柄ごとに分けてください。
- 同じ名前でも、別人の場合があります。 Maria Lopezという名前のクライアントが2人いる場合は、別々のプレースホルダーが必要です。ツールが黙って統合しないようにし、必ず確認してください。
- 途中で文書を追加する場合 新しいファイルには新しい名前が含まれています。そのファイル用の安全なコピーを新たに作成してください。また、以前の回答が不足していた情報に依存している場合は、新しいチャットで追加質問をしてください。
- 言語間で表記が異なる場合 異なる文字体系で書かれた名前が同一人物を指すことがあります。統合された項目を確認してください。
- 隠れたコンテンツ コメント、メモ、シートにも名前が含まれます。次をご覧ください: チェックリスト.
よくある質問
複数のクライアントに1つの案件を使えますか?
使わないほうがよいでしょう。クライアントまたは案件ごとに分ければ、プレースホルダーと復元対象が曖昧になりません。
後からファイルを追加すると、番号はどうなりますか?
すでに案件に含まれている人物のプレースホルダーはそのままです。新しい人物には、次の空いている番号が割り当てられます。
ある名前がどのファイルに登場するか確認できますか?
はい。確認パネルには、検出された値、プレースホルダー、その値が登場するファイル数が表示されます。
ClientSafe は、案件ごとに1組のプレースホルダーをPC上で管理します。検出された各値と、その値が登場するファイル数を表示し、AIの回答に実際の氏名を戻します。検出は完全ではないため、コピーする前に一覧を確認してください。