依頼者の名前を削除するのは、当然行うべき手順です。しかし、それだけでは不十分なことがほとんどです。文書には、口座番号、署名、ファイル名、コメント、組み合わせると身元が分かる詳細も含まれています。依頼者の文書をAIツールに貼り付けたりアップロードしたりする前に、このリストを使ってください。
直接識別子
これらは単独でも、特定の人物や組織を示す情報です。登場するすべての形式について、削除するか置き換えてください。
- 人物の名前。 依頼者、相手方、証人、家族、同僚に加え、署名欄や「cc」欄に記載された人も含めます。短縮形、イニシャル、誤記も確認してください。
- 企業や機関の名前。 雇用主、家主、学校、診療所も、個人名と同じように人物を特定することがあります。
- 住所。 番地、郵便番号、物件の説明。
- 電話番号とメールアドレス。 レターヘッド、フッター、署名欄も確認してください。
- 口座番号とカード番号。 銀行口座、IBAN、カード番号、保険証券番号。
- 本人確認番号。 納税者番号、国民ID番号、パスポート番号、運転免許証番号、社会保障番号。
- 生年月日。 フォームの「生年月日」と「年齢」のような、しばしば組み合わさっている2つの項目。
- 照会番号。 調べれば誰かに分かる、事件番号、請求番号、請求書番号、契約番号。
組み合わせると識別につながる詳細
直接識別子は検索できるため、比較的簡単に対処できます。難しいのは、作業に何が必要か判断することです。手紙の文法修正なら、依頼者に関する事実はまったく必要ありません。和解金の計算を確認するなら金額と日付は必要ですが、名前は不要です。削除する情報を決める前にAIに必要な情報を決めれば、リストは短くなり、より安全になります。
ある情報は単独では問題なくても、組み合わせると身元を特定できます。「人口4,000人の町の形成外科医で、3月に訴えられた人」は、1人に絞られるかもしれません。文書を読む際は、同僚や近所の人が誰のことか分かるか考えてください。
- 珍しい役職、特異な雇用主、小さな地域。
- 出来事、自白、審理、取引の正確な日付。
- 公開記録に載っている、特徴的な金額。
- ニュースで報道された健康状態、家庭の状況、紛争の説明。
こうした情報は、必ずしも削除する必要はありません。多くの作業では一般化すれば十分です。「3月14日の紛争」ではなく「春の紛争」とします。作業に必要な情報は残し、ほかは削除してください。
ファイル内に隠れているもの
文書は、目に見えるページだけではありません。忘れやすい箇所も確認してください。
Word文書
- コメントと変更履歴。確認者の名前が残っています。
- ヘッダー、フッター、テキストボックス。
- 作成者や会社などの文書プロパティ。
スプレッドシート
- 非表示のシート、行、列。
- セルのコメントと名前付き範囲。
- 別のファイル名に言及している数式。
プレゼンテーション
- 発表者ノート。
- 画像やグラフ内のテキスト。
メール
- 差出人、宛先、CC欄と、差出人の署名。
- スレッドの下部にある、以前のメッセージの引用。
- 添付ファイル名。
PDFとスキャン
- スタンプ、手書きメモ、署名に名前があるスキャンページ。
- ブックマーク、フォームフィールド、文書プロパティ。
すべてのファイル
- ファイル名。「Lopez_lease_final.docx」なら、ファイルを開く前から名前が分かってしまいます。
- 画像と写真。周囲のテキストをきれいにしても、身分証明書や署名の写真には個人情報が含まれます。
元の文書を編集するのではなく、文書のテキストから作った安全なコピーを使えば、こうした隠れ場所の多くを避けられます。コメント、メタデータ、埋め込みオブジェクトは、貼り付けるテキストには含まれないためです。例外は画像です。識別情報が含まれていないと確信できない限り、画像は含めないでください。
例
依頼者から会計士に届いた短いメールを例にします。
「こんにちは、Tom。口座番号4471-2290、Harbor Credit Unionの明細を添付しました。3月3日に12 Elm Streetへ引っ越したので、住所を更新してください。夫のDanielもローンの名義人です。ありがとう、Maria Lopez、555-0142。」
徹底して確認するなら、会計士のファーストネーム、口座番号、銀行名、住所、夫の名前、依頼者の名前、電話番号を置き換えます。引っ越しの日付は判断が必要です。ローンに関する作業なら、「3月」と一般化するか、削除できます。添付ファイル名、メールの差出人欄、署名にも同じ対応が必要です。
確認後のテキストは、たとえば次のようになります。「こんにちは、Person_1。口座番号Account_1、Company_1の明細を添付しました。3月にAddress_1へ引っ越したので、住所を更新してください。夫のPerson_3もローンの名義人です。ありがとう、Person_2、Phone_1。」情報量は減っていますが、ローンに関する質問に使うには十分です。
迷ったら、情報は含めないでください。AIが必要としたら、次のメッセージで詳細を追加できます。送信済みのメッセージを取り消すことはできません。
最終確認
- 依頼者の姓を検索します 表記のすべてのバリエーションも検索してください。名だけでも検索します。
- 数字を検索します。 長い数字と、日付らしきものを確認します。
- 最初と最後のページを読みます。 レターヘッド、署名欄、フッターには識別情報が集まりやすい場所です。
- ファイル名を確認する チャットに入力したタイトルや見出しも確認します。
- 見知らぬ人が依頼者を特定できるか考えます 残っている情報から。
自動ツールは大量の情報を扱うのに役立ちますが、見落としもあります。何を使う場合でも、送信する前に結果を自分で確認してください。
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一般的な情報であり、法的助言ではありません。自分に適用される規則を確認してください。