人事ファイルには、企業が個人について保管する情報のなかでも、特に機微性の高いものが含まれています。それでもAIツールは、評価の文章を明確にする、苦情への中立的な返信を作成する、2つの契約案を並べて比較するなど、文書作成に役立ちます。どの場合もルールは同じです。まず本人を特定できる情報を取り除いてください。

濃紺のデスクトレーに立てられた人事ファイル。白紙とペンが添えられている。

人事でAIが役立つ場面

  • 勤務評価。 粗いメモを、バランスが取れた具体的な表現に整え、語調が証拠に見合っているかを確認します。
  • 苦情や申し立て。 長いメールのやり取りから時系列を整理し、矛盾を見つけ、受領確認や返信の草案を作成します。
  • 契約書や方針文書。 版を比較し、義務を一覧にし、条項を平易な言葉に書き換えます。
  • 職務記述書や採用内定通知書。 テンプレートをもとに草案を作成します。

採用、懲戒、解雇など、人に関する決定は人間が行います。ツールは準備に使い、決定を委ねないでください。

文書の種類ごとに取り除く情報

文書人物を特定する情報
勤務評価従業員と管理職の氏名、従業員ID、チーム名や職務名(チームの人数が少ない場合)、休暇の日付、氏名と結び付いた報酬
苦情または申し立て申立人、申し立てられた人、証人、言及されている同僚、転送されたメールのメールアドレスと署名
雇用契約書従業員の氏名、自宅住所、生年月日、国民IDまたは納税者番号、銀行口座情報、雇用主名
病気に関する書類と配慮事項氏名、診断名、医師や医療機関、および病状が明らかになる日付
調査メモ話の中で一度だけ触れられた人も含め、すべての氏名

職務名は特に注意して確認してください。「財務部長」は、従業員が500人いる会社では匿名性が保たれても、10人の会社では個人を特定する情報になります。その職名、またはその人を指し示す文全体を置き換えてください。

苦情には特別な注意が必要

苦情には、AIへの入力に含めることを選んでいない人が複数関わります。申立人、申し立てられた人、そして多くの場合は複数の証人です。AIが誰が誰に何を言ったかを追えるよう、それぞれに別々の一貫したプレースホルダーを割り当てる必要があります。全員を「[REDACTED]」にしてしまうと、争いの時系列を作成できません。 プレースホルダーと黒塗りの違い についての記事で、その違いを説明しています。

健康、労働組合への加入、宗教などの情報は、多くのデータ保護法で特に機微な情報として扱われます。それらに触れているファイルの部分は特に慎重に扱い、安全版を2回確認してください。

契約書

報酬条件はAIに確認させたいことが多いため、金額は残し、それが誰のものかを取り除いてください。従業員、会社、署名者、氏名が記載された照会先はすべてプレースホルダーに置き換えます。同じ契約書の2つの版を比較する場合は、両方で同じプレースホルダーを使ってください。そうしないと、AIは名前が違うだけの箇所を差異として報告します。

簡単な例

勤務評価メモの一部:

Priya Raman missed the Harbor Bank migration deadline twice in Q2 and was off sick from 3 to 21 June.

送信するデータ:

Person_1 missed the Project_1 deadline twice in Q2 and was absent from Date_1 to Date_2.

AIは、この内容を公平な表現に整え、不在が遅延を説明するかどうかを尋ねるのに役立ちます。これにより、従業員が誰か、どの顧客プロジェクトか、なぜ不在だったのかを知られずに済みます。健康に関する情報は日付とともに取り除かれています。質問に必要な場合は、診断名を送るのではなく「健康上の理由で不在だった」としてください。

簡単な手順

  1. 利用するAIアカウントと、そのデータ設定の内容を確認してください。 設定の意味.
  2. 作業に必要な文書の部分を抜き出してください。
  3. すべての人名、会社名、住所、番号、生年月日を、一貫したプレースホルダーに置き換えてください。
  4. 役職、あだ名、珍しい詳細など、まだ誰かを特定できる情報が安全版に残っていないか読んで確認してください。
  5. 質問をし、プレースホルダーが何を指すかを一般的な言葉で説明してください。たとえば「Person_1は従業員、Person_2は直属の管理職です」のようにします。
  6. 自分のコンピューター上で名前を戻し、手紙やファイルに使う前に回答を確認してください。

勤務先のデータ保護方針と現地の雇用法を優先してください。会社で承認済みのAIツール一覧がある場合は、その一覧から利用してください。

よくある間違い

  • 名前を消しても、話の内容を残してしまう。 「リーズの車両基地で夜勤をする唯一の監督者」に関する苦情は、その人物を特定しています。
  • 脇役の人々を見落とす。 証人、前任の管理職、推薦状を書いた人も、個人です。
  • メールのスレッド全体を貼り付ける。 転送されたメッセージが増えるたびに、メールアドレス、署名、電話番号も追加されます。
  • 従業員IDを残す。 表記が違うだけの名前です。
  • AIの要約を正式な記録として扱う。 元の文書を根拠資料として保管し、要約は作業補助としてのみ利用してください。

よくある質問

名前を削除すれば、勤務評価をChatGPTに貼り付けてもよいですか?

それだけでは不十分な場合がよくあります。チーム名、日付、プロジェクト名、具体的な出来事から、会社の事情を知る人が本人を特定できることがあります。それらも取り除くか、作業に必要な内容だけに絞ってください。

AIに解雇通知書の草案を作らせても問題ありませんか?

プレースホルダー版をもとに草案を作成するほうが、実際のファイルを貼り付けるよりリスクが低くなります。決定そのものと、書簡の法的確認はツールに委ねないでください。

従業員が、自分のデータがどのように扱われたかを知る権利についてはどうですか?

管轄地域によって異なります。従業員が、自分の個人データやその処理方法を含む情報の開示を請求できる地域もあります。何をいつ送信したかを記録しておいてください。

ClientSafe は、氏名、会社名、住所、電話番号、メールアドレス、ID番号を、あなたのPC上で一貫したプレースホルダーに置き換えます。そのため、ある案件のすべての文書で同じ従業員には同じプレースホルダーが使われます。どのツールもすべてを見つけられるわけではないため、コピーする前に結果を確認してください。

一般的な情報であり、法律上の助言ではありません。雇用とデータ保護の規則は国によって異なります。