画面上に見えている名前が、必ずしもテキストとは限らない。スキャンした契約書、撮影した手紙、報告書に貼り付けたメールのスクリーンショットでは、名前は画像になっている。検索と置換では見つからないが、AIツールなら読み取れる場合がある。
画像に個人データが隠れている場所
- スキャンしたPDF。 各ページが画像になっている。名前や番号を含め、すべてのテキストがピクセルで構成されている。
- 文書の写真。 手紙、請求書、フォームをスマートフォンで撮影した画像。
- WordやPowerPointに貼り付けたスクリーンショット。 「何が言われたかを示す」ために画像として貼り付けたメールやチャット。
- 署名欄やスタンプ。 画像になっていることが多く、名前がそばに記載されている場合もある。
- レターヘッドやロゴ。 バナーに表示された会社名や住所。
- 会議で撮影した名刺、ホワイトボード、フォーム。 会議で撮影された。
- 写真のメタデータ。 画像には、撮影日、撮影機器、場合によっては撮影場所が記録されていることがある。
AIツールで問題になる理由
AIツールは画像を読み取ることができる。依頼者の契約書をスキャンした画像をアップロードすれば、入力されたテキストと同じように、ツールはそこにある名前を読み取る。ファイル内の入力テキストから名前を削除しても、画像を残せば依頼者の情報は露出したままだ。
逆のことも起こる。テキストだけのきれいなファイルに見えても、スキャンした付属書類にすべての情報が含まれている場合がある。最初のページだけでなく、すべてのページを開くこと。
簡単な確認方法:テキストを選択できるか?
PDFを開き、カーソルで行を選択してみる。個々の単語をハイライトできれば、そのページにはテキストレイヤーがある。ページ全体が一つのブロックとして選択される場合や、何も選択できない場合は、そのページは画像だ。入力済みのページの後ろに署名ページや付属書類のスキャンがあるなど、テキストと画像が混在するファイルはよくある。最初のページだけでなく、最後のページも確認すること。
Word内でも同じ方法で確認できる。スクリーンショットをクリックして、それが一つの画像として選択されるなら、その内容は検索可能なテキストではない。
チャットやメールのスクリーンショット
一見無害に思えるため、特に触れておく必要がある。テキストメッセージのやり取りを写したスクリーンショットには、画面上部の電話番号や連絡先名、各吹き出しに表示された相手の名前、メッセージ内の日時や場所が記載されていることが多い。メールのスクリーンショットには、両者のアドレスを含む完全なヘッダーが表示される。内容が必要なら、文字をコピーし、名前を置き換えて、画像は含めないこと。証拠としてスクリーンショットが必要な場合は、それ自体を一つの文書として扱い、AIツールで共有する予定の報告書の途中に挿入しないこと。
手作業で対処する方法
- 画像を見つける。 文書をスクロールし、スキャン、スクリーンショット、写真をすべて確認する。
- それらが必要か判断する。 多くの場合、必要ないか、画像内のテキストが1、2行程度なので、打ち直せばよい。
- 内容が必要なら、テキストを打ち直すかコピーし、 プレースホルダーに置き換えてから、画像は含めない。
- ぼかしは使わない。 名前はぼかしても読めることが多く、ぼかしを元に戻せる場合もある。画像に統合された塗りつぶしの図形のほうが安全だ。さらによいのは、画像を含めないことだ。
- どうしても画像を送信する必要がある場合は、写真のメタデータを削除する。 。
ツールでできること
スキャンしたPDFはページごとにテキストとして読み取られる。Word、PowerPoint、Excel、メールなどのファイルでは、画像内のテキストを認識し、画像があった位置に「画像からのテキスト」と記されたブロックとして配置する。その後は、文書内のほかの部分と同じ手順で処理する。名前や番号を検出し、内容を確認したうえで、プレースホルダーに置き換える。画像自体は安全なコピーに含まれない。小さなアイコンや装飾は読み飛ばされる。
ClientSafeでは、安全なコピーの上にある帯に、テキストとして読み取られた画像の数が表示される。英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、アラビア語を読み取る。
現実的な事例
依頼者からフォルダーが届いた。入力済みの契約書、銀行からの手紙のスキャン、手書きのメモの写真3枚、テキストメッセージのスクリーンショットを含むメールのやり取りだ。契約書は単純だ。名前が隠れているのは、それ以外の書類だ。入力テキストだけを処理するツールでは、そのほとんどを見逃してしまい、入力済みの契約書をさっと検索して「問題なし」と判断してしまうだろう。テキスト検索は、スキャンの確認にはならない。確認作業には、画像から読み取られたページも含める必要がある。
文字認識が失敗するケース
画像からのテキスト読み取りは正確とは限らない。手書き、低解像度の写真、傾いたページ、テキストに重なったスタンプ、珍しいフォントは、いずれも誤りの原因となり得る。誤読された名前は、もはや名前らしく見えないため、検出をすり抜けることがある。読み取りに確信が持てない場合、ClientSafeは文書に「要確認」と表示する。そのような文書は、確認用の文書として扱い、安全なコピーと元のページを見比べながら、二度確認すること。
画像として描かれた署名には、読み取り可能なテキストがない。たとえば「署名者:Maria Lopez」のように、署名の横に入力された名前はテキストなので検出される。
よくある質問
画像を残して、問題ないと期待するだけでよいか?
いいえ。文書の画像も文書そのものだ。そこに名前が含まれていれば、画像を読み取るAIツールには見える。
スキャンしたPDFはWordファイルと同じように処理されるのか?
まずテキストとして読み取られ、その後は同じ手順で処理される。
安全なコピーに写真は含まれるのか?
いいえ。写真は含まれない。読み取り可能だった写真内のテキストは含まれ、安全な状態にされる。
手書きのメモはどうなるのか?
見落としがあるものと考えること。手書きは、どのような文字認識にとっても最も難しいケースなので、それらのページは特に注意して確認するか、テキストを打ち直す。
ClientSafe は、スキャンしたPDFや文書内の画像に含まれるテキストを読み取り、入力テキストの場合と同じように名前や番号を見つけて置き換える。確認画面には検出された内容が表示され、判定に確信が持てない文書には「要確認」と表示される。