よく聞く不満があります。ブラウザーでは入力補完が快調で、フォームは自動で埋まり、アドレスバーは URL を先読みしてくれる。ところが Word や Slack、あるいは素のメモ帳のウィンドウに切り替えたとたん、何も出てこない ―― 設定を間違えたのか、どこかが壊れたのだと考える方が多いのですが、そうではありません。Windows は、すべてのアプリが差し込んで使える共通の入力補完の仕組みを、はじめから備えていないのです。
入力補完は OS の機能ではなく、アプリごとの機能です
入力補完を備えるアプリは、それぞれが自前のテキスト入力欄のために、自前のロジックで、独自に実装しています。ブラウザーのフォームの自動入力やアドレスバーの予測は、Chrome や Edge、Firefox の機能です。ブラウザーのプロセス内で動き、ブラウザー自身の入力欄に打たれた文字しか見ていません。Word の提案は Word の機能で、Outlook の提案は Outlook の機能です。互いに連携することはなく、実装したアプリの外へ広がることもありません。
Windows 自体は、アプリが利用できる共通の入力補完エンジンを提供していません。たとえばスペルチェックのように、多くのアプリが接続できる OS 側の仕組みが少なくとも存在する、という状況にはなっていないのです。予測入力は完全に個々のアプリ開発者に委ねられており、メッセンジャー、メモアプリ、ターミナル、汎用エディターといった多くのデスクトップアプリは、そもそも実装していません。
入力補完が「止まる」ときに実際に起きていること
テキストボックスはアプリごとの持ち物
Slack の入力欄とブラウザーの入力欄は、まったく別のコードで描画されており、両者をつなぐ共通の提案エンジンはありません。
Windows レベルの API が存在しない
OS のスペルチェッカーやクリップボードを呼び出すように「次の 1 語」を取得できる、システム側のサービスは用意されていません。
ブラウザーの自動入力はフォーム履歴しか知らない
以前その入力欄に打った値をそのまま繰り返すだけで、新しい文章を予測しているわけではありません。だからフォームの外では出せるものがないのです。
アプリ側に設定がないか確かめる
打つ手がないと決めつける前に、いま使っているアプリに入力補完の隠れた切り替えがないか確かめる価値はあります。設定の奥に用意しているアプリもあるからです。Word ならオプション → 文章校正またはオートコレクトの下にあります。Outlook には宛名の入力補完と返信候補の、それぞれ別の切り替えがあります。ただし多くのメッセンジャーや汎用エディターには、本当にそうした設定がありません。機能そのものを作っていないからです。その場合、オンにできるものは存在しません。隠しスイッチではなく、機能の欠落なのです。
ブラウザーの外でも入力補完を使うには
自前で実装していないアプリをまたいで、文単位の提案を一貫して得る方法は 1 つだけです。特定のアプリのコードに組み込まれるのではなく、すべてのアプリの上に乗り、システム全体でカーソルを見張るツールを使うことです。それを行うのが Typeahead です。システムトレイで静かに常駐し、WhatsApp、Telegram、Slack、Chrome、Edge、Firefox、Outlook、Thunderbird、Word、メモ帳、Notepad++、そして VS Code のチャット欄とテキスト欄で、いま書いている文がどう続きそうかを提案します。
提案の出どころはローカル LLM(llama.cpp 上の Qwen 3)か、モデルをダウンロードする前から使えるカスタム定型文のオートコレクトと辞書ベースの入力補完です。いずれも完全にオフラインで動作し、入力したテキストがデバイスの外へ出ることはありません。提案は Tab キー(既定値。変更可能)で確定でき、そのまま入力を続ければ無視できます。アプリごとにオフにでき、パスワード管理ソフトと金融系アプリは自動的に対象外になります。
よくある質問
ブラウザーの外で Windows の入力補完が壊れているのですか?
Word には入力補完があるのに、メモ帳にないのはなぜですか?
入力補完をどこでも有効にする Windows の設定はありますか?
Typeahead はアプリ内蔵の入力補完を置き換えますか?
インターネット接続がなくても動きますか?
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